2007年06月28日

時代劇への便り

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片山 瞳 さま

ご無沙汰していますがお元気ですか?
前回は、「世界はときどき美しい」の監督、御法川修さんと、セカトキブログとこちらのブログにて魂の交感(?)を果たしたばかり。
なので今日はこちらが一方的にあなたにお便りを差し上げます。

というのも、どうにかして見ていただきたいドラマが7月3日(火曜)に放送されるからです。
時代劇、「八州廻り 桑山十兵衛
TV朝日系列で、夜の19:00から。HPでは予告動画も見られます。
忙しいでしょうから、予告だけでも是非!

どうしてこのドラマを見て欲しいかっていうと、もうすぐこの連ドラ時代劇の枠が終了してしまうから。長きに渡ってお世話になってきたこのドラマ枠が終了することを伝え聞き、とにかく僕は今、とても淋しいのです。

工藤栄一さんという、あなたが所属するオフィス作の松田優作さんもタッグを組んだことのある監督を筆頭に、僕はこの連ドラ時代劇のこの枠の中で、本当に多くのことを学ばせてもらいました。
レギュラー出演がかなわなかっただけに、年に一度、なんらかの形で訪れるこの京都での時代劇出演が、どれだけ僕を鍛えてくれたか…。
御法川監督が言うところの土俵入り、この精神は、僕は東京ではなく、京都で学んだとすら思っているくらい。

京都のスタッフは厳しいと、恐れおののく俳優もいます。
でも、僕からすれば全然そんなことはない。むしろ熱く、そして誇りを持っている。だからこその厳しさ。むしろ優しさ。付き人もマネージャーも忘れて。一人で、孤独で、魂で。俳優はある意味、ただただ無心で飛び込めばいい。そうすれば受け止めてくれる人達ばかりです。

時代劇は、普通のドラマよりも時間と手間がかかるものです。
俳優にしたって、カツラを付け、衣装を身に纏うまでに小一時間。ロケに行くにしても、まず電柱や電線がない場所に辿り着くまでに数時間、現場では更に装身具を身につけなければなりません。女優さんはトイレだって一苦労。こういった作業の果てに、ようやくして演じる準備が始まるわけでして、そこに辿り着くまでに、正直言ってかなりヘトヘト。
現代劇はなんて(肉体的に)楽なんだろうと、東京に戻るたんびに思います。
現代劇なら隠し撮りでもすればいいエキストラも、時代劇は用意周到。エキストラ専門の俳優さん(大部屋と呼ばれる)が常に現場に待機しています。

連ドラ時代劇の枠がなくなるからって、この世から日本の時代劇がなくなるわけではない。そう思いますが、そう思うのですが…
良かったら、この機会に、どうか一度見てみてください。
今や同業であるあなたにとって、このドラマはどんな風に映るんだろう?
これらのドラマの特筆すべきところは、VTRではなくフィルムで撮られているということ。それだけでもまた、時間がかかるところなんだけど、そこにこそ意義があるとも思うんです。
ちょっとした待ち時間に、スタジオ一面に自ら水を蒔いていた工藤栄一監督。そうやって路地を濡らすことで、光と影のシルエットを際立たせようとしていたようです。
その監督に応えようとする照明技師、撮影部、録音部、美術部。床山、衣装、小道具、制作、記録、助監督。そして演技事務。大部屋の俳優さん。殺陣師! 
「また来ます」と言える場所が、これを機会にまたひとつなくなってしまったような、どうしようもない淋しい気持ちではいますが、それもまた新たな出会いの序章だとすれば…。
そう思いたいし、そう思っています。

と、勝手ながらも個人的な思いを長々と書いてしまいましたが、まずは御自身の今現在のお仕事を、そして日々を頑張って! こちらへの返信は構わないので、単身京都での上映へ向かう御法川監督のほうへと返信してあげてください。
福岡での凱旋上映も楽しみですね。
では、また!


posted by kouta at 22:53| 便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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